フリーアナウンサー樋口香織のホームページ 兵庫県、大阪府を中心にアナウンストレーニング、話し方、演劇ワークを使ったコミュニケーション術と内気改善プログラムをお伝えしています。

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鶴彬―暁を抱いて 劇団きづがわ公演

カテゴリ : 演劇鑑賞記
今年最後の演劇鑑賞は
劇団きづかわです。

今回のお芝居は川柳作家の鶴彬のお話です。


ところで
鶴彬をご存知でしょうか?

鶴彬(つるあきら)
1909年生~1938年没
石川県生まれ
プロレタリア文学の影響を受けた
反戦川柳作家
治安維持法で逮捕され
留置された中野区野方署で赤痢に罹り
豊多摩病院で死去
享年29

鶴彬といえば
やはり以下の川柳が浮かびます。

暁をいだいて闇にゐる蕾

枯れ芝よ!団結をして春を待つ

手と足をもいだ丸太にしてかえし

胎内の動き知るころ骨がつき



一つ目の
「暁をいだいて闇にゐる蕾」の句は
大阪城公園内の句碑に刻まれています。

さてお芝居の感想ですが
鶴彬の生きざまと
その時代性の中で生み出された
川柳と情熱がひとつになり
心に訴えるものがあった。

創作意欲や明るく前向きな
好青年ぶりは
やはり小林多喜二にかぶる。

川柳は社会風刺であるが
それだけではない
芸術だと考えている。

鶴彬のこのセリフが
印象的だった。

批判精神だけでなはい
純粋に芸術を目指す思いもまた
小林多喜二と重なるものがある。

鶴彬も小林多喜二も
国家の過ちによって
命を奪われたが
29年をまっすぐに
力強く生き抜いた。

残念だった点は
役者がセリフをあまりにも多く
噛んでいたこと。
女性の着物の着こなしが
もう少し美しければいいなあ
と思ったこと。
袖にスタンバイする役者の姿が
よく見えてしまったこと。

ちょっとしたことですが
全体的に良かっただけに
細部までこだわってほしかった。

ラストシーン
鶴彬のさまざまな句碑が
映し出される。

そして舞台上に設置された
献花台に出演者が献花する。

この演出は彼の人生を
劇団全部で讃える
素晴らしい演出だった。

劇団きづがわ創立55周年記念
第77回公演
「鶴彬ー暁を抱いて」

2018年12月15日

於 リバティーおおさか(大阪人権博物館)
2018-12-15 21:29:58

心の栄養は生がいちばん〜演劇鑑賞のススメ〜

カテゴリ : 演劇鑑賞記
演劇鑑賞にいったい何のメリットがあるのか。
考えてみたいと思います。
一度も舞台演劇を観たことのない人が
いると思いますが、非常にもったいないです。

映像作品と違う生の体験は
いつまでも体に残ります。
一度や二度観ただけで
そこまでの感動作に出会えるか
どうかはわかりません。
それは残念ながら保証はできません。

しかし、何度か劇場に足を運ぶと必ずいつか
自分はこの作品に出会うために
今までの人生があったのではないかと
思うような、特別な公演に出会えます。

私の経験からいうと、あまり余裕のない時に
気乗りしない状態で観た作品で
大きな衝撃を受けることが
多かった気がします。

金銭的にも、精神的にもゆとりがないと
出かけることさえ億劫になりますが
そんな時ほど魂はゆとりを求めているものです。

魂にゆとりを与えてくれるものが
極上の舞台演劇にはあります。

疲れてる人、今までと違う刺激に触れたい人
ひとりの時間を過ごしたい人
悩みもがいている人にこそ
舞台はいいものだと思います。

脚本、舞台の装置、音楽、照明、役者の表情
動き方すべてに創り手の意図が込められています。

しかし、観る側にとっては
そんなものを通り越したレベルで
心を揺さぶられる体験をして欲しい。

生ほど価値ある体験はありません。

自分で足を運んで自分で観たもの
感じたものは絶対的なものです。

それが、虚構でも、幻でも関係ない。

このオリジナルの人生を送ってきた
自分だけの今だけの感覚は
紛れもなく自分のものです。

そこに感動が加わり
またその後の人生が続くのです。

どんな心の栄養を
自分に与えるかは自分の自由です。

映画やテレビでもお芝居は観られます。
だからこそ時には「生」を感じてみましょうよ。

恋愛だってバーチャルな恋愛ゲームより
自分と相手の体と時間を共有するリアルの方が
大変だけど何倍も刺激的な衝撃を受けるからね。

自分の24時間を何にかけるかが
未来を作ります

心のゆとりが不足すると
毎日が味気なく色褪せてしまいます。

心の栄養は「生」がいちばんです。


Du bist mein Schatz!  kaori
2018-12-12 09:32:07

三婆(さんばば) 劇団文化座

カテゴリ : 演劇鑑賞記
今日は文化座のお芝居を観てきました。

三婆とは三人のお婆ちゃんのことです。
 
夫の亡き後の、本妻と妾と小姑の
賑やかなバトルを描いています。

舞台は昭和38年。
この頃は60歳でおばあちゃんと
呼ばれてたんですね。

今なら実の孫でもないのに
おばあちゃんって呼んだら
きっと怒られちゃいます。

この三婆、ひょんなことから
一緒に暮らす羽目になります。

背景は三人三様だけど
みんなちょっと性格の悪いところや
小賢しいキャラをしています。

図々しさも、高慢さも
憎たらしいけどリアルで笑える。
身近にいくらでもいそうなオバさん達。

軽妙なケンカのやりとりが楽しい前半だけど
そんな三婆の裏にあるのは老女の寂しさ
後半はどんどん孤独感が見えてくる。

世間は東京オリンピックで賑わっているけど
孤独な老人の不安感が裏腹な態度に
垣間みえて切ない。
今の時代と同じです。

最後は相容れない関係の三婆が
寂しさに耐えかねて仲良く暮らしていきます。

女性というのは何歳になっても
集まっておしゃべりしていたら
楽しく笑って過ごせる能力が
高いのですね。

もしも老人男性が三人なら
こんなに楽しくはいかない気がします。
オバちゃんの底力を感じました。

帰り際、客席で涙ぐむ高齢女性の姿を見ました。

三婆を演じた三人の女優のパワーが
素晴らしかった。

みんな一緒。

歳をとることも、わがままも
性格悪いのも、いいよいいよ!

そんなメッセージが聞こえてきそうな
心温まるお芝居でした。


於:呉竹文化センター
劇団 文化座公演
「三婆」
2018-12-09 22:00:20

治天ノ君

カテゴリ : 演劇鑑賞記

東京の劇団チョコレートケーキのお芝居を

京都で観てきました。

物語は天皇のお話です。

それも割と最近の明治天皇、大正天皇、昭和天皇が

登場します。

生まれながらに王になること以外ありえない

という立場生きるしかない人生を背負った

天皇ですが、そこに描かれていたのは

生身の人間の葛藤でした。

特に大正天皇は在位も短く体の弱い天皇

という印象しか私にはなかったのですが

その苦しみが舞台上からダイレクトに

伝わってきました。

また大正天皇の夫婦の愛にも心打たれる

ものがありました。

あくまでフィクションですが

きっとこんな夫婦だったのかもしれないと

親近感をおぼえます。


苦しいときよく周りの状況は関係ない

要は自分の解釈で不幸だととらえるから

不幸なんだ。

幸、不幸は自分のとらえ方の選択しだいだと

いいます。

それはその通りですがやはり

天皇には逃げ場はないのです。

自分なりに理想の天皇像を極めようとの

想いがあってもいうことをきかない身体と

そのことで病の天皇ということだけが

歴史に残ることへの苦しみがあります。

重みは違えど人間の苦しみの種類は

どれも同じようなものなのですね。


悲劇の王でありながら

どこかチャーミングな人柄に描かれた

天皇の姿に親しみと敬意を感じました。

でも天皇万歳とは言えないですがね。

政治利用されたりいろんな思惑に

翻弄されてほしくはないです。

天皇制そのものを見直す時が

いつかくればいいなあと思います。


2016年9月29日
於 ロームシアター京都

劇団チョコレートケーキ
「治天ノ君」
2016-10-01 16:04:59

人を羨んでいる場合ではない

カテゴリ : 演劇鑑賞記
仲間のお芝居を観てきました☆

三人の女の子の物語。



自分から見たら輝いて見える

あこがれの女性も本人にしてみれば

無理していたり、自信がなかったり

現状に決して満足しているわけでは

なかったりするのです。


ちょっと想像してみれば誰しも人間で

ある以上弱いところもイケてないところも

みじめなところもいっぱいあって当然と

わかるはずなのに

能力もあり、美しく、自分らしく

生き生きと活躍する人をみると

ついついこの人は何の問題もない

人なのだろうな~

わたしとは違うわな~

って思っちゃう(*^^*)


そんなホントは自信ない人々に

エールを送っているような

作品に少し元気をもらいました。

人をうらやんで

人のモノを欲しがり

人の真似をし

その人っぽくなれたって

気持ち悪いだけですわ。


ひとりの人の中にはすでに

素晴らしい能力や才能や

輝く魅力があるのだから

外側ばっかり見てないで

自分の内側にも意識を

向けましょう。

自分が発見してあげないとね(^_-)-☆




ワンコインの公演で元気になれるって

費用対効果抜群ではないですか☆


役者さんと裏方さんありがとう。

雨上がりのむうっとした空気も

心なしかさわやかに感じられる

そんなお芝居でした。





2016年7月31日
スタジオビックワンシアター企画第一弾
「ギミギミチョコレイト」
於:ビックワンシアター
2016-08-01 01:21:43

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