唄と舞と楽器(鳴り物)の総合芸術を鑑賞してきました。
自然界と人間の融合をテーマにした作品で、非常に抽象的なイメージの舞台作品でした。
言葉らしい言葉ではない音声や、打楽器のリズムは人工的なものとは違い、自然界の音や息遣いが感じられる不思議な世界でした。
日頃耳にするような、歌詞やメロディーが明確に伝わる音楽とは異なり、理屈を超えた表現の世界を堪能しました。
なるほど。日本よりもフランスなどで評価されそうな感じがします。
何でもかんでも答えや意味を求めても野暮というもの。
このような不思議系のアートは、自分の凝り固まった観念をときほぐす意味でも面白いと思いました。
私はいわゆるゲラで、些細なことでケタケタ笑ってしまうタイプです。
例えば、結婚披露宴のクライマックスの感動の場面で、新郎のお父さんがマイクに頭をぶつけたりすると、もう我慢ができないのです。
もちろん必死でこらえますが、その自分にさらに笑えてきてしまい、それは辛い時間となります。
笑いが生まれる瞬間って何かというと、あるべき姿を想定しているのに、それがズレた時に起こります。
滑ったり、コケたりして面白い人は、コミカルな人より断然カッコいい外見の人です。
側から見ればズレですが、本人にとってみれば大悲劇です。笑いとは残酷なものです。そして人は笑いが好きです。
ただし、程よいズレに収まらないときは、逆に笑えない状況になります。ま、それもまたドラマですが。
ちょっとしたズレ、ちょっとしたいい意味での期待の裏切りは、笑いや感動を生みます。
いつも大笑いしたい。笑える人とたくさん一緒に過ごしたい。笑いの奥にある人々の悲哀を感じ取り、それすら笑いに変えていけるようなリアクションが取れる人が好きです。
内向的で大人しい人に魅力を感じるには、それなりの理由があります。
私のお付き合いした人は7割くらい内向的なタイプで、そのほとんどが不思議とAB型でした。こっちだって内向的だから、よく沈黙が流れるんですよね。
まぁ、そんなもん怖がってたら内向型人間なんてやってられない。少なくとも私の目には、内向的な人は地味で暗い人には見えません。
カッコいい変わり者で、あまり目も合わせてくれません。シャイなのか何なのかわかりませんが、不意打ちに弱くて、心の準備ができていないと、会話でまともな返しが出来ず、無視されることが多いです。
でもここで、私嫌われたかも?って思うのは甘いんですよ。内向的なもの同士で、付き合いに発展すること自体が奇跡ですからね。
会話じゃない部分で心を読まないと続かない。これで引いちゃってフェードアウトするカップルは、勝手な想像力が働きすぎです。
そんな女性は自分の思い込みで引いたら、もったいないですよ。
それに、内向的な男性といっても、一人一人カラーは違います。でも、共通して魅力を感じる点を挙げるなら、以下のような感じです。
▪️世俗的な成功にとらわれていない
▪️マニアックな世界への興味関心
▪️他者の時間を侵害しない
▪️密に連絡を取らなくてもいい
▪️いざというときは助けてくれる
▪️物事の真偽に慎重
▪️独りでも楽しめる
▪️自己管理ができる
▪️自分の心で考える
▪️イメージや評判を鵜呑みにしない
▪️競争の世界で戦わない
▪️好奇心旺盛
▪️常に学び続けている
▪️孤独を恥じていない
▪️お金の使い方が独特
▪️芸術文化をじっくり楽しめる
▪️言葉遣いが誰に対しても同じ
▪️いつまでも距離感が変わらない
こんな感じでしょうか。具体的な人を思い出してみると、ある人は、極めて内向的な男性でしたが、商売が当たってお金持ちっぽいのに、賃貸のワンルームに住んでいて、古いハイエースに荷物をいっぱい積んで乗り回していました。
そのワンルームに300万円もする絵画が置いてあったりして、とてもその人が興味深く感じられました。
さらにアルマーニのスーツと香水がたくさん並んでいるその部屋で、安い焼酎飲んでいました。衣食住の衣だけおしゃれで、食と住はどうでもいいみたい。
こういう人は楽なんです。食と住ならこっちがなんとかしてあげられる。でも衣に関して、こちらが介入しないとダサい男性は面倒くさすぎます。
面白エピソードはいろいろありました。ある時、会社のお金を持ち逃げした従業員を捕まえたらしく、住むところが無いっていうので、そのワンルームで一緒に暮らしているというのです。
言葉数少ない中に人の良さや、さっぱりした人柄が見えて引き込まれるのでしょう。はっきりいって、女性と目も合わせられないし、気の利いたことなど一つも言えません。
でも、従業員も付いてくるんですよ。持ち逃げ事件はありましたけどね。この方は、かなり際立つものがありますが、決して奇をてらうことはなく、世俗にまみれていないからこそ、独自性が面白味になっているわけです。
内向的で自分の心のままに活動するから、結果として成功もするし、お金も盗まれたりいろいろあるわけです。
「なんで俺、金を持ち逃げした男と二人で暮らさなあかんねん」っていいながら、更生のチャンスを与えるその人を、甘いと見る人もいるかもしれませんが、私は魅力的に感じていました。
だから内向性は何でもいいわけではなく、自立心や優しさがまずは大切です。そういう土台がある内向型人間になりませんかという、ひとつの価値観の提案をしているのです。
決しておしゃべり上手の養成所にはしたくないのです。世の中の話し方教室はいろいろあります。でも、どうせなら貴方の変態性を極めていきましょうよ。
だから私は内向的な人の方しか向きたくないし、そういう人しか、お仕事という意味では応援できないのです。
内向性カッコいいという、荒野の狼的なところを一緒に目指していきたいのです。大人しいけど、常識の欠けた世捨て人じゃない。だって自分もそうだったからね。
大人しい自分、自己主張のひとつもできない面白みのない自分は、強烈なコンプレックスでしたから。自分を自分が認められるところに達すれば、静かな影響力やカリスマが出てきますよ。
ベラベラ喋らなくても大丈夫。意外なカッコよさは、声紋見れば一発でわかりますから大丈夫。

劇団朋友のお芝居を観てきました。小さなコーラスグループのメンバー達のお話です。コーラスの練習の合間に飛び出す話は定年を迎えた夫の話。
登場する三人の定年した男性の厄介な感じが非常にリアルでした。生活の細々したことが何もできない男性。妻に誘われたコーラスサークルに素直に入りたがらない男性。サークルの仲間達に対して東大卒の元大蔵省勤務と偽っている男性。
カッコつけでプライドが高く生活のことは妻任せ。こんな男性は正直面倒くさいが実際、多いのだろうと思います。
女性はといえばそんな夫に振り回されたり文句ばかり言っていたり寂しがっていたりするものの自分の楽しみは自分で見つけてそれなりに毎日を楽しんでいる。
中でもいちばん生き生きとしている女性は、熟年離婚した女性でした!文句を言いながら我慢する人生に見切りをつけた人は輝いています。
肩書きを失った男性の惨めな感じとのコントラストが印象的です。
すったもんだあったコーラスグループも最後は一致団結で素晴らしいハーモニーを奏でていました。合唱は男声・女声両方が合わさることで厚みも深みも増しますね。
happy endのお芝居でした。貴方の今日がhappyでありますように。

ある新郎新婦を担当したとき「私たちはお互い対等な関係です。
だから披露宴の中で性的役割分業について触れる言葉はいっさい使わないようにしてください」と言われました。
お気持ちよくわかります。ご安心ください。こういう言葉は元々使わないようにしています。
ここまではっきりおっしゃる方はめずらしいですが、私はとても共感します。
それは決して人によって感じ方に違いがあるため無難な表現にしておこうという理由からではなく、私自身が正直に違和感を覚えることから言わないようにしてきたのです。
例えば、披露宴の司会の際の個人的NGワードはこのようなものです。
「入籍する」→言い換えるなら「婚姻届を提出する」
「お嫁にいく」「嫁ぐ」→言い換えるなら「結婚する」
それから「一家の大黒柱」「内助の功」「子孫繁栄」こういう言葉も避けています。
時代遅れな言葉という印象ですが、決して良い悪いと決めつけられるものではありません。
ただいろんな方が集まる場で、全ての方に気持ち良くお過ごしいただくことを考えていきたいですし、言葉を扱う仕事をさせていただいている以上、意識し、悩み続ける姿勢そのものが大切だと思っています。
ちなみに列席者の方などがおっしゃる分には何の問題もありません。
他にも、もしあなたが個人的に嫌な言葉がありましたら教えてください。私は使わないようにします。
そして積極的に使ってほしいと思われる言葉があればこちらも教えてください。いろんな方の言葉の感性に触れてみたいですし、言葉にこだわるお客様大歓迎です。