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内向性の光と闇〜無差別殺人から超人まで

あらためて、内向性の光と闇について書きたいと思います。

 

よく内向性が良い形で表出されたり、昇華されたりする例として、アインシュタインや、ニーチェなどの天才性を爆発させた変わり者が挙げられます。

 

一方で、才能をもちながら、強い孤独感、疎外感に苦しみ自殺する人がいます。作家や画家などの芸術家に多そうなイメージですね。

 

そして、もっと負のイメージですと、無差別殺傷事件に代表される「誰でもよかった」という許し難い事件を引き起こす殺人犯がいます。

 

このような人々の背景に、強い内向性、孤独、疎外感、見捨てられた感、自己喪失感、自己無価値感が指摘されることがよくあります。光と闇はとても両極端に見えます。

 

ここで、ご紹介したいのが闇に堕ちそうになりながら光に転じた人です。こういう人はもっとも参考になります。

 

それはドイツの文豪ヘルマン・ヘッセです。ヘッセは学生の頃から孤独感を募らせていました。学校を辞めたり、職場をすぐに辞めたりしていました。

 

「詩人にしかなりたくない」と言って逃げ出す問題児でした。ひどいノイローゼで自殺未遂を繰り返し、病院に通っていました。しかしヘッセは自殺未遂は繰り返したものの、死にませんでした。

 

絶望感をもったまま、光の方へ行ったのです。そして家族をすてて隣国に亡命しました。その苦しみや、絶望との付き合い方が書物から伺えます。

 

20代でベストセラー作家となろうが、精神状態の悪いヘッセは苦しみ抜き、東洋思想にのめり込みました。なのでヘッセの作品は、日本人の感性によく合います。

 

生きる喜びが文章から伝わりつつまた、虚しさも伝わってきます。こういう人はきっと、何か良いことあろうと決して「俺絶好調!ハッピーーウキウキ!!」とは、ならないのです。

 

そうではなくて、私には想像もできないような、悟りの境地に達しているようです。静かで、テンション高くもなく、低くもなく穏やかな境地です。

 

そこまで到達したヘッセはもしかしたら、今一番読まれるべき作家なのかもしれません。孤独や絶望と一体になりやすい人は養育環境だけではなく、生得的なものにも寄るのではないかと精神疾患の書物を読むと感じられます。

 

まぁ、この辺りのことは解明されていないことも多いため、なんともいえませんが。ただ、ヘッセがとても貴重な生き方を示してくれたことは事実です。

 

本人が苦しみ抜きながらも、光を見ようとしたことは現代に生きる内向性の強い人を励ましています。それは間違いのない事実なのです。

 

ヘッセの作品は、内向性の強い人には身にしみる言葉が多い。たしかに、世界にはヘッセ以外にも、優れた作家は沢山います。

 

でも私にとって、文学の底力をもっとも感じさせてくれるのがヘルマン・ヘッセなのです。よかったら読んでみてください。

 

悩みが深い時に読むと信じられないくらいの力が湧いてきます。内向性は何も悪くない。ただ、殺人や自殺に向かったらいけない。

 

偉業なんて別に成し遂げなくていい。ただ、強く静かに生き抜いていくことは放棄しないでいよう。

 

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