現在、あらゆるイベントごとが縮小、延期される中で結婚披露宴を迎えなければならない新郎新婦が毎週います。1年以上かけて準備をしてきた結婚式を延期するという選択をする方もいれば、予定通り行う方も多くいます。
そして、開催する人は式場と共にあらゆる策を講じて当日を迎えられます。では実際に行う人は今、具体的にどのような対策をしているのでしょうか。
・披露宴会場全体のミスト除菌
・トイレを30分~1時間程度で空気除菌
・披露宴会場の各テーブルにアルコールを一つずつ設置
・披露宴の当日、スタッフのマスク着用と消毒の徹底
・料理提供の際は毎回消毒を行う
・料理提供の際、出す人と下げる人は別の人が行う
・披露宴会場の窓を開放し空気の入れ替えを行う
・披露宴会場の席やテーブルをなるべく離す
・列席者は受付にて検温、アルコール消毒をする
・受付でマスクを持っているかの確認をする、受付にマスクを用意する
実際に式場と新郎新婦が行っている対策の一例を記しました。よければ参考にして、開催するか延期するか決断をしてみんなが良かったと思える一日にしてください。
今、まさに自分事として悩んでいる新郎新婦に伝えたいことは、しっかり準備と対策をしていれば列席者には伝わりますし、皆も協力してくれます。
実際には普段と変わらない盛り上がりや感動が生まれているのを毎週目にしていますので、どうか手を打ったうえで楽しいひと時を過ごしてください。

ある新郎新婦を担当したとき「私たちはお互い対等な関係です。
だから披露宴の中で性的役割分業について触れる言葉はいっさい使わないようにしてください」と言われました。
お気持ちよくわかります。ご安心ください。こういう言葉は元々使わないようにしています。
ここまではっきりおっしゃる方はめずらしいですが、私はとても共感します。
それは決して人によって感じ方に違いがあるため無難な表現にしておこうという理由からではなく、私自身が正直に違和感を覚えることから言わないようにしてきたのです。
例えば、披露宴の司会の際の個人的NGワードはこのようなものです。
「入籍する」→言い換えるなら「婚姻届を提出する」
「お嫁にいく」「嫁ぐ」→言い換えるなら「結婚する」
それから「一家の大黒柱」「内助の功」「子孫繁栄」こういう言葉も避けています。
時代遅れな言葉という印象ですが、決して良い悪いと決めつけられるものではありません。
ただいろんな方が集まる場で、全ての方に気持ち良くお過ごしいただくことを考えていきたいですし、言葉を扱う仕事をさせていただいている以上、意識し、悩み続ける姿勢そのものが大切だと思っています。
ちなみに列席者の方などがおっしゃる分には何の問題もありません。
他にも、もしあなたが個人的に嫌な言葉がありましたら教えてください。私は使わないようにします。
そして積極的に使ってほしいと思われる言葉があればこちらも教えてください。いろんな方の言葉の感性に触れてみたいですし、言葉にこだわるお客様大歓迎です。
結婚式の司会をしているとよく聞かれることがあります。「どんな演出をすれば感動的な式になりますか?」本当によく質問されますが正直毎回、返答しづらいです。
なぜかというと、結婚式で感動が生まれる場面とは抑えきれない人の感情があふれ出る場面としか言いようがないためです。これをすれば感動が生まれるなどという方法はないということです。
結婚式も披露宴もご承知のようにほぼ同じような構成になっています。例えば、スピーチやインタビューやお礼の挨拶や手紙など決まり切った形です。
ゲストだって過去にさまざまな披露宴に参列した経験を持つ人が多いでしょう。それに2人が結婚したことなんて招待状をもらう前から知っていることですし2人が幸せだろうということも知っている。
では、ゲストは何を見たいのか。ありのままの感情が見たいのです。喜びで感激いっぱいの姿を見たいのです。そしてその気持ちを共有できるから心からお祝いするのです。
美味しい食事でもてなしを受けるのも楽しみのひとつでしょうが、美味しいものはこの披露宴ではないところでも食べることができます。
ここでしか味わえない感情の共有こそが万難を排してやってくる理由です。身も蓋もない回答ですみません。
でも、これが真実です。感謝の心、素直な喜びの気持ちは自然に伝わります。これから結婚式を迎える方に心から素晴らしい一日をぜひ迎えていただきたいと思います。

ご家族や列席者の方から「温かくよい司会でした」などとお褒めの言葉をいただくことがあります。
ひとまず責任を完うできたのかなと安堵と感謝でいっぱいになります。
しかし一方でみぞおちがチクリとするような痛みを覚えます。
私のこれまでの司会者人生と比べると、それ以前の人生の方がはるかに長いです。
昔の私は今思うと随分心ない言葉、きたない言葉を使ってきました。そして人を傷つける言葉もたくさん使ってきました。
そんな私が司会を始め、少しばかりものの言い方を学んだからといって過去の罪がたちどころに消えるわけではありません。
それなのに「皆様のご多幸をお祈りいたします」なんて涼しい顔をして言う資格が自分にあるのかと、心の片隅で問う自分がいつもいます。
それでもマイクを持って仕事をする以上、私は天に向かってお許しくださいと言うほかないのです。
言葉には人を救い、慰め、励まし、人生を変える力がありますが、同時に人を殺す力もあります。
相手が心地よくなれる話し方、言葉の選び方、そして何より心を傾けて相手の話が聴ける人になれるよういつまでも追求していきたいです。
そして心のすきまにたえず居つづけるこの「懺悔」の念を抱えたまま日々向上していきます。

神前式、キリスト式は宮司や牧師が司りますが、人前結婚式は司会者が進行をします。
お世話になった大切な皆さまに対して誓い、夫婦と認めていただく人前結婚式は、基本的にはやり方に決まりがありません。
そのため、自由な発想を取り入れてオリジナリティたっぷりにすることも可能です。
これまでにいろいろな形の人前結婚式を見てきました。
しかし両家の宗教が相容れない場合の逃げ道として宗教色のない人前式が選ばれることもあります。
打合せをしていると「人前式はとにかく何もいらないし簡素にしてください」とのご希望。
不本意なまま苦渋の選択をされているのかもしれないと考慮しつつ精一杯の進行を行ったこともありました。
何とか思い出に残る式にしてさしあげたいという思いがついつい湧いてくるのですが、それすらも余計なことなのかもしれないと感じてしまうほどでした。
宗教の問題は当人にとっては根幹をなす重要な部分ですのでとてもデリケートです。難しい問題ですね。
もしも互いの宗教の問題で挙式を悩まれる方がいらっしゃれば私はていねいにお話しを伺います。
答えなどそんなに簡単に見つかるものではないと思います。それでも出来る限りの方法を考えるお手伝いができればと思っています。お悩みの方はどうぞご連絡ください。
積極的に人前結婚式を選択される方はもちろん何も問題はありませんよ。お二人らしい結婚式を創りましょう。