
Ernest in Loveは10年ほど前に月組で観た作品。内容はすっかり忘れていました。当時の印象に残っていたのは舞台上にいるオーケストラにかぶさっていた巨大な鳥かごのインパクトだけでした。
イギリス貴族のラブコメディ。軽快なミュージカルで気楽に笑えて楽しめる。貴族社会の身分違いの恋の行方にせつなさはみじんもない。いささか強引なオチでめでたくハッピーエンド。登場人物はみんなどこかイカレている軽いタッチの作品。
主人公演じる明日海りおさんは明るくチャーミングな役どころがとてもよく似合います。雰囲気とよくマッチした声もいい。
花組の次回大劇場公演は人気のロンドンミュージカル「ミー・アンド・マイガール」何度も何度も再演される人気作で私自身、昔とっても慰められた思い出があり何度も繰り返し観たい作品です。次回作が待ち遠しいです。
宝塚歌劇団 花組公演
Ernest in Love
於 梅田芸術劇場
ミニシアターで映画を観るのが好きです。だいたいいつもミニシアターは空席が多いです。貸し切り状態で赤字やん大丈夫かなって思うことも多いです。
そんな中、初めてミニシアターに並んでチケットを買いました。それだけ話題の映画ということです。
刻々と、何が変わっているのか?『日本と原発 4年後』弁護士が描く原子力発電。感情に訴えるような映画とは違う。
推進派の屁理屈が一つ残らず理論でつぶされていく。上演後の河合弘之監督のトークショーを聞きました。
弁護士が映画を作った目的はふたつ。ひとつは、推進派を論破するツールとして。もうひとつは、裁判官に向けて。裁判に勝てば止められる。
政権が何と言おうと電力会社が抵抗しても強制的に止められる。だから訴訟を過小評価してはならない。
そして再稼働全体を最小限に抑え込みその間に自然エネルギーが実は「儲かる」ことがわかれば放っておいても広がるという構想。この弁護士「本気」だと思った。
映画製作の協力者のほとんどが偽名で関わったそうです。本心とは別に原子力ムラに遠慮する人は多い。制作費の募金が原子力ムラに阻まれて仕方ないから借金をして作った映画は日本各地で反響を呼び儲けが出たそう。
このお金はポケットに入れず次回作に充てるとおっしゃっていました。安全に興味があれば見たほうがいい。
原発の仕組み・歴史・福島の事故から現在に至るまで
弁護士視点で描かれる日本の原発のすべて。
知っていますか?原発のすべて。
原子力発電の仕組みとは、歴史とは
それを支える日本の社会構造とは。
否定する人・推し進める人。
避難生活を送る人たちは、、、
ピラミッドのように積み上がりながら
ふる里を侵蝕し続ける放射性廃棄物。
毎時5.0マイクロシーベルト!
放射線量標識が立ち並ぶ常磐自動車道。
低線量被曝とは?
母親たちの苦悩に答えはあるのか?
日本にも起こりうるテロ・戦争行為で原発は
自国に向けられた核兵器と化す。
高浜原発を止めた司法の判断!
そして再稼働は…?
東電元役員に下された強制起訴までの道のりとは…?
全国の原発差し止め訴訟の先頭に立つ
弁護士が描く原子力発電のすべて!
2014年に発表された映画『日本と原発
私たちは原発で幸せですか?』から1年。
刻々と変化する問題を新たに伝えるために
映画「日本と原発」は、その瞬間を記録して続けてゆく。

最前列で観る歌舞伎は見ごたえたっぷりだった。描かれるのはお金と異性のドロドロ。当時は愛情の証に小指の先をちょん切る誓いがあったそう。過激すぎます。痛い痛い・・・・
何百年経ってもしょせん人間はお金や異性に関して非常に業が深いところは変わらないのですね。現代でも異性関係の過ちは厳しい社会的制裁を受けることもあります。
まあ立場や状況によっていろいろありますし、それらを乗り越えて平穏な夫婦生活を送っているように見える人もいます。でも裏切られた方は一生忘れられないことがありますね。
作中では社会的制裁どころか全身を切りつけられるという凄惨なことが行われます。嫉妬は醜いと誰もがわかっていても止められないのが人間です。殺そうというのはどうかと思いますがたぶん現在でも裏切られた側の気持ちとしては切り刻みの刑に処したい人も大勢いると思う。
非常にえぐいシーンを見せられましたが、それがまた美しくてゾクゾクします。残虐シーンはやっぱり魅力的です。残虐なものを見るのは良くないと主張する人がいますが私は見るべきだと思っています。
だって人間の奥底にあるものだから。蓋をするから変なところで噴出するのだと思うからです。あるものをちゃんと認めることができたら昇華するので、目を覆ってはいけない。
そしてまたその残虐性を際立たせているのがお富の美貌です。男性が女性を演じるとどうしてこんなに美しいのでしょうか。目が離せなくなるほど妖しい感じの美しさでした。芸の極みだと思います。
切られても這い上がるお富の強さとしたたかさ。それはきっと誰もが潜在的に持ち合わせているものかもしれない。だから頑張れってお富が現代人にエールを送っているような気がした。
また明日から頑張ろう。
劇団前進座
通し狂言 切られお富
於 呉竹文化センター

今年の初観劇は宝塚歌劇宙組です。劇作家のシェイクスピアを主人公にした物語。シェイクスピア作品はとても有名で現在もさまざまなスタイルで上演され続けています。
そんなシェイクスピアですが彼自身がどのような生涯をおくったのか。そのプライベートは謎に包まれています。
実際には不明なことも多いようで今回の公演でもかなり自由な発想で創作されているようです。
メインはシェイクスピアと彼の妻アンの夫婦愛です。ロマンチックな出会いから結婚に至り、そして可能性を見いだされロンドンで作品上映のチャンスを得た彼は才能を発揮し名作を次々と送り出します。
大成功を収めたシェイクスピアは家庭を顧みる余裕がなく結果、子供を失い妻も離れていってしまいます。何よりも大切なものを失ってしまった彼は『言葉』を失ってしまうのです。
もはや書くことが出来なくなった彼はこのまま終わってしまうのか・・・・。芝居の中ではいたるところにシェイクスピアの作品が劇中劇で登場します。
ロミオとジュリエット冬物語夏の夜の夢マクベスハムレットリア王ジュリアス・シーザー
とても贅沢な気分になれます。シェイクスピアは同時に役者としても活動していたそうですが、この作中でも役者として登場する場面がありました。
実際のシェイクスピアはどんな演技をしていたのでしょうね。とても興味があります。事実はともかくシェイクスピア没後400年にあたり今一度いろんな作品を読みなおしてみたいと思いました。
宝塚歌劇団宙組公演シェイクスピア没後400年メモリアル
ミュージカル『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』

イタリアのシチリアを舞台にした一人の男の成長物語。美しい映像と音楽が心に残る。しかし細かい仕掛けがたくさんあり理屈で考えてしまうと意味不明になる。
摩訶不思議物語じゃないんです。人生讃歌、感動巨編の路線のはずなんです。いちいち考えてはいけない作品かもしれない。
全体的に淡々とした良くも悪くも凡庸とした物語なので壮大な展開や刺激的な場面を求めて観ると少々退屈してしまうかもしれない。
ただ、しみじみと人生って素晴らしいと噛みしめるには何かが足りない。
また私のようにイタリアとその歴史的事実をよくわからない者が観るとこの映画の本当の良さを理解出来ないのかもしれない。
でも上手く言えないけれどつまらないって投げ出すような映画ではないんですよ。歯切れの悪い言い方だけど。
非常に惜しい。魅力の要素はあるのにすんなり感動といかないのは何が原因なのか。青年期から壮年期にかけての主人公の魅力がどうも伝わってこないのです。
いろんなシーンがあるのに長く感じたり無くてもいいと思われる部分が多い気がする。ここら辺が整理されたら不朽の名作になるかもと思えるだけに惜しい。
監督が自分の故郷を描いた作品だけに思い入れが強すぎて細部に凝りすぎて何だかよくわからなくなったのかなぁ。
伝わってくるものもあるだけに・・・・残念。