
日々のお仕事の中で声の調子の微細な良し悪しがあります。スポーツをするとき、ケガもしてなくて体調も万全でやる気も充分なのになんか調子が悪いということがあるように、風邪もひいてないし体調もばっちりなのに声にも意識して集中していると、毎回違いがわかります。
私はこういう微妙な調子の良し悪しを何とか自分でコントロールできないものか探ってきました。最近ひとつ分かってきたことがあります。
「いい声」が出ているなと思った時の喉の感覚を意識すると喉の奥を周りの筋肉で少し圧迫しながら声を出していることに気が付きました。
喉を絞めると声は悪くなるので開けていながら少しせばめる感じです。こうすると圧力の高い声が出ます。
喉が開いていながら高圧の声が出るとどんな声になるかというと単純にいうと「若い声」になります。
若いと声帯の周りの筋肉がふかふかしているので張りと厚みのある声になります。たとえば、幼児の声って本人は大きい声を出そうと思っていなくても大きくて張りと厚みがありませんか。加えて潤いもあります。あの声に意識的に近づけるわけです。
もうひとつは英語やイタリア語などは日本語と違って喉の奥を開けて出すような音がたくさんあります。カンツォーネを聞いてみたり10代の人が歌う英語の歌などを聞くと声の圧力が非常に高いことがわかります。
日本語はどうしても口の前の方だけをぺたぺた動かしているだけで出る音が多いので喉を開けるということ自体が難しいのです。
ポイントは
*喉の奥を開く
*開いた喉を周りから少し締める
見た目は化粧やファッションで誤魔化すこともできますが、声は老けやすいので意識して圧力を高めれば加齢による低音やハスキーボイスや艶のなさを少しでも和らげることができると思います。
今日もいい声で頑張ります。あなたも頑張って!
「敬語」というのは相手と距離をおいた言葉です。仕事やお客様や目上の人に対して使います。
フォーマルな場で進行役をする司会業では当然きちんと敬語を使えなければならないでしょう。
きちんと話していれば何をいわれるわけでもないので、とても楽で無難な言葉でもあります。
巷にもマナー本や正しい敬語についての本があふれています。言葉一つで信用を失ってはチャンスを逃すことにもなります。
ただ一歩踏み込んでいくとこの「敬語」には冷たい関係を感じてしまいます。
ビジネスの相手であっても心打ち解けるような瞬間に丁寧な敬語が返ってくるとちょっぴり寂しさを感じます。
心からの尊敬の気持ちと共に親しみを感じる方に対して私は敬語を使わずにいかに敬意を表すかということを考えてしまいます。
心が伴っていれば言葉を多少くずしても失礼なニュアンスは出ないように思います。
具体的にどんな言葉ということは出来ないのですが、その相手と自分との関係においての唯一の関係における表現が何となくあるのです。
本当に敬意をもっているような自分が素晴らしい、大好きだと認める方であればその方が何を大切に思い、何を重要視し何に憤りを感じる方なのかある程度分かるのは当然だと思います。
こんな風に接していると素敵な方は絶対にこちらの敬意を感じとってくれるから可愛がってもらえますし、いろんなことを教えてもらえたりしますね。
言葉の大切さもさることながら、その背景に在るありのままの気持ちが自ずと浮き彫りになる浮き彫りになってもかまわない。
そのまま見てくださいと言えるような接し方をしたいと思う。本当に尊敬する方に対しては。
「一声 二顔 三芝居」(いちこえ、にかお、さんしばい)という言葉があります。いい役者の条件の一番は「声」ということです。
昔初めて聞いたときは???でした。芝居は二の次でいいの?顔より声が大事なの?って思いました。
でも、そういうことのようです。舞台でいい声の役者さんを拝見するとなるほどなぁと思います。
私は目が悪く、耳が良いので声の印象が強く残ります。声は思いだせるのに顔が思いだせないこともあります。一般の方の中にもすごくいい声の人がいます。
「いい声」って何なのかと言いますと、あくまでも私の主観になりますが「いつまでも聞いていたいような深い浄化作用のある声」です。
一般的に思われる「美声」とは少し違うかもしれません。具体的には高い低い、硬い柔らかい、甘い苦い暖かい冷たい、軽い重い……etcあらゆる要素がすべて含まれるような声でこういう声ですって表現しにくい声です。
際立った特徴のない声かもしれません。そして透明感たっぷりでありながら声の表面にわずかなざらつきがありそのかすかな振動が深く心地よい印象をもたらします。加齢や飲酒によるハスキーボイスとは根本的に違います。
声の質は基本的に変えられないので、まさに神さまの喉から生まれたスーパーボイスなんです。
ただ、誰しも理にかなったボイストレーニングを行えば、その人の持ち味での最大限の魅力ある声美しい声になります。なので努力して訓練される価値は十分あります。
そんなスーパーボイスの持ち主。一般人の中にもおられますがまずご本人は気づいていません。もったいないです。容姿がいい人みたいに目立たないのですね。
まぁ声についてどんなに特徴を述べても具体的に聞かないとわからないですね。
私の周りの人を挙げても通じませんので著名な方を挙げてみると例えば、女性では加藤登紀子さん、男性では来生たかおさん。歌い手さんの方がわかりやすそうなので。
このお二人は究極のスーパーボイスだと思います。その歌唱力は脇においてぜひ声に注目してみてください。私が述べた条件が含まれています。
こんな声の持ち主はもはや歌いあげる必要もなく淡々と語るだけで歌になってしまいます。きっと朗読してもすばらしいと思います。
あなたの周りにもきっといるスーパーボイスさん。もし気づいたら「あなたいい声です」って教えてあげてくださいね。